創発の兆し

願いの現実化(創造力)と
「人ってこういうもの」と
いう現実の、絶え間ない止揚への営み

これからの時代、更なる技術の進歩とともに、社会の中では常に、以下のような5つのタイムラグが起こり続けます。

  1. ① 新しい技術がわたしたちの手元に届くまでの“技術の汎用性・民主化のタイムラグ”
  2. ② 高価な技術が安価になるまでの“経済的なタイムラグ”
  3. ③ 技術革新や価値観の変容が社会実装されるまでの“制度とのタイムラグ”
  4. ④ 誰かの違和感が新しい当たり前になるまでの“社会的関心・注目のタイムラグ”
  5. ⑤ 情報格差や意識の違いから生じる、個々人が新しいものを受け入れるまでの“心のタイムラグ”

社会の状況に応じて、誰が、どのタイミングで、どうやってこれらのタイムラグを埋めるのが一番適切なのかは異なってきますが(そこに正解はなく、だからこそ失敗が許容される社会である必要があります。)、いつの時代にもいえる確かなことは、⑤に寛容ではない社会や、⑤が蔑ろにされてしまう社会では、仮に技術革新が進んでいたとしても、それを社会の成熟とは評価し難く、少なくとも格差や分断は解消されないということです。

願いの現実化(創造力)と「人ってこういうもの」という現実との絶え間ない止揚への営み。
その過程にこそ、人や社会の限界や当たり前が革新、あるいは拡充された未来があると、わたしたちは考えています。

誰かの可能性が広がることは「世界」の可能性が広がるということ。

予測困難なリスクが共存する複雑な世界の渦中で、合理的な行動や目的的な行動だけでは本当に必要な情報を受け取れない時代。
情報や知識の収集だけではむしろ、「世界」の実態から遠ざかってしまう時代。それがわたしたちが生きている今という時代です。

そんな時代では、各々が思い描く未来の抽象度が高く、実現までの道のりが遠ければ遠いほど、これまでの成果主義的な手法だけではかえってその未来の実現は難しくなります。
なぜなら、常に未来に対して「今この瞬間」が犠牲になり続ける、あるいは、本当にあり得たはずの無数の過程や可能性が一つに決まってしまい、多様性や柔軟性が失われてしまうからです。

わたしたちは、多様性を持ったチームやコミュニティにおける共創の中で、本質的な問いを立て続けることを通じて、誰かの可能性が広がることが「世界」の可能性が広がることでもある、という感覚の共有が重要であると考えています。

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